はじめに
大雨や地震など災害が迫ったとき、必ず迷うのが「避難所に行くべきか、それとも自宅で待機するべきか」という判断です。避難所に向かった結果、移動中に危険にさらされることもあれば、自宅待機を選んだ結果、浸水や土砂災害に巻き込まれることもあります。
この記事では、災害時のケースごとに「避難所へ行くべきか」「自宅で待機してよいか」を整理し、命を守るための判断基準を徹底解説します。
1. 避難の基本原則
避難＝必ずしも「避難所に行くこと」ではありません。
- 安全な場所へ移動すること全般が「避難」
- 自宅が安全なら「在宅避難」も立派な選択肢
- 危険が迫っているなら「指定避難所」や「親戚宅」への移動が必要
大切なのは「どこが一番安全か」を冷静に判断することです。
2. 避難所へ行くべきケース
【大雨・洪水の場合】
- 自宅が ハザードマップの浸水想定区域内 にある
- 川沿い、アンダーパス、低地など水が集まりやすい場所に住んでいる
- 過去に床上浸水の経験がある地域
👉 これらに当てはまる場合は、雨が強まる前に早めに避難所へ。
【土砂災害の危険がある場合】
- 自宅が がけ下・山の斜面近く にある
- 「土砂災害警戒情報」や「避難指示」が出ている
👉 夜間や豪雨時に移動すると逆に危険。早めの明るいうちに移動が鉄則。
【自宅が安全でない場合】
- 老朽化した木造住宅や耐震性が不十分な建物
- 地震で大きな被害を受けている
- ライフライン（電気・水道）が完全に止まり、生活が困難
👉 安全な建物に移動した方がリスクが小さい。
3. 自宅待機（在宅避難）してよいケース
【災害の危険が及ばない地域】
- 自宅が浸水想定区域外
- 高台や鉄筋コンクリート住宅など安全性が高い
- 自宅の方が避難所よりも安心できる環境がある
👉 この場合は、自宅での待機が合理的。
【高齢者・乳幼児・持病がある人】
- 避難所は環境が過酷で体調を崩すリスクも高い
- 自宅が安全なら、在宅避難が望ましい
👉 ただし、停電や断水に備えて 食料・水・医薬品を1週間分以上準備しておく必要があります。
4. 移動のタイミングと注意点
- 避難は「避難指示」が出てからでは遅い。**避難情報レベル3（高齢者等避難）**の時点で行動開始が理想。
- 夜間や豪雨ピーク時の移動は危険。できるだけ明るいうちに。
- 移動時は川沿いやアンダーパス、地下道を避ける。
5. 避難所で過ごすときの心構え
- プライバシー確保が難しく、体調管理が重要
- 感染症対策（マスク・消毒液）や耳栓・アイマスクが役立つ
- 自分で準備する物資（非常食・毛布・常備薬）が安心につながる
6. 判断を助けるチェックリスト
避難所へ行くべきか迷ったら、次の質問に「はい」が多ければ避難所へ。
- 自宅は浸水想定区域にあるか？
- 土砂災害警戒区域にあるか？
- 建物の耐震性・老朽化に不安があるか？
- 家族に高齢者や子どもがおり、安全確保が難しいか？
まとめ
「避難所に行くか、自宅で待機するか」の判断は命に直結します。
- 危険区域に住んでいる → 早めに避難所へ
- 安全な区域・頑丈な家 → 在宅避難も可
- 夜間や豪雨ピーク時の移動は危険 → 垂直避難を優先
最も重要なのは「公式情報を信頼し、早めに判断すること」です。
災害は待ってくれません。迷ったら「少し早めに避難」が、命を守る最大の行動です。
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