はじめに
高齢者の救急搬送理由として多いのが「転倒」と「熱中症」です。
ちょっとした段差での転倒や、夏場の室内での熱中症は、誰にでも起こり得る身近なリスクです。
しかし、日常の工夫で多くは予防することができます。
この記事では、高齢者が自宅で安全に過ごすための「転倒予防」と「熱中症対策」を具体的に紹介します。
🚶♀️ 高齢者に多い「転倒事故」
転倒は骨折や寝たきりの原因となり、生活の質を大きく下げる要因です。
特に大腿骨骨折は、救急搬送から入院・手術へとつながるケースが多く、要介護の引き金にもなります。
転倒が起きやすい要因
- 筋力やバランス感覚の低下
- 視力や聴力の衰え
- 薬の副作用によるふらつき
- 家の中の段差や滑りやすい床
👉 つまり「体の変化」と「住環境」の両方が影響しているのです。
🏡 自宅でできる転倒予防の工夫
1. 家具と通路の整理
- 床に物を置かない
- コード類はまとめて壁際に
- 夜間の移動に備え、足元灯や人感センサーライトを設置
2. バリアフリー化
- 段差にスロープや滑り止めマット
- 階段やトイレに手すりを設置
- 浴室は転倒リスクが高いので、マットや椅子を活用
3. 筋力・バランス維持
- 軽いスクワットや片足立ちで下半身を鍛える
- ラジオ体操やウォーキングを日課に
- 運動習慣が転倒予防に直結します
🌞 高齢者に多い「熱中症」
熱中症は夏だけでなく、梅雨時や秋口にも起こります。
特に高齢者は、体温調節機能や喉の渇きの感覚が低下しており、知らぬ間に脱水が進んでしまいます。
熱中症のサイン
- めまい、ふらつき
- 倦怠感、食欲不振
- 大量の発汗や逆に汗が出ない
- 意識のもうろう
👉 重症化すると命に関わるため、早めの対応が必要です。
🏡 自宅でできる熱中症予防の工夫
1. 水分補給を習慣に
- 喉が渇いていなくても、こまめに水を飲む
- お茶やコーヒーより水・麦茶・経口補水液を推奨
- 起床時・入浴後・就寝前の補給をルール化
2. 室内環境の工夫
- エアコンは「28℃目安」でつけっぱなしでもOK
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環
- 遮光カーテンやすだれで直射日光を防ぐ
3. 衣服と生活リズム
- 吸湿・速乾性のある軽い衣服
- 日中の外出は朝・夕の涼しい時間帯に
- 規則正しい食事と睡眠で体調管理
👨👩👧 家族ができるサポート
高齢者自身が気をつけるだけでなく、家族の支えも重要です。
- 定期的に声をかけて水分摂取を促す
- 室温や湿度を一緒にチェックする
- 家の中の危険箇所を一緒に確認・改善する
👉 「声かけ」と「一緒にやること」が、事故予防の一番の近道です。
✅ まとめ
- 高齢者に多い救急搬送理由は「転倒」と「熱中症」
- 転倒は筋力低下と住環境が原因、自宅の整理や手すり設置が有効
- 熱中症は体温調整機能の低下が背景、水分補給と室内環境の工夫で予防可能
- 家族によるサポートと声かけが安全を守る
「救急の日」をきっかけに、家の中を見直してみませんか?
小さな工夫が、大きな事故や病気を防ぐ第一歩になります。
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