はじめに|「換気扇の異音」は放置していい?
「キーキー」「ゴーゴー」「カラカラ」…古いマンションに住んでいると、換気扇から不思議な音が聞こえてくることはありませんか?
築年数の経った物件では、換気扇の劣化による異音は避けて通れない問題のひとつです。
しかし、特に 賃貸住宅 の場合、「勝手に交換していいのか?」「自分で直して壊したら費用は?」と迷うことも多いですよね。
この記事では、換気扇の異音について次のポイントを解説します。
✅ 異音の種類と原因を理解する
✅ 賃貸でもできる安全な応急処置・清掃方法
✅ どのタイミングで管理会社・大家に相談すべきか
✅ 修理と交換の判断基準
✅ 日常の予防メンテナンスで寿命を延ばす方法
異音の放置は、騒音トラブルや電気系統の故障につながる恐れがあります。まずは「自分でできること」と「プロに任せるべきこと」を整理して、安心・安全に対処していきましょう。
1. 換気扇から聞こえる異音の種類と原因
換気扇の異音といっても、その音によって原因が大きく異なります。まずは代表的なパターンを整理しましょう。

1-1. キーキー・キュルキュル音
- 原因:モーター軸や軸受け部分の油切れ、汚れの蓄積
- 特徴:高音で耳障り、回転のたびに一定リズムで鳴る
👉 典型的な「潤滑不足」サインです。放置すると摩耗が進み、部品交換が必要になる場合も。
体験談:築20年マンション・Aさん
「最初は軽いキーキー音で我慢していたのですが、3か月放置したら隣の部屋にも聞こえるほど大きな音に…。夜中まで響いてきて、結局すぐ対処する羽目になりました。」
1-2. ゴーゴー・ブーン音
- 原因:ファンの汚れによる重量増、モーターの負荷増大、軸のずれ
- 特徴:低音の唸り声のような連続音
👉 「モーターが無理している状態」。無理に使い続けると過熱や故障につながる危険性があります。
体験談:築25年マンション・Bさん
「急に『ゴーーー』と地鳴りのような音が鳴り出してびっくり。工事かと思ったら換気扇でした。階下からも苦情が来て、慌てて管理会社に電話しました。」
1-3. カラカラ・ガラガラ音
- 原因:ファンの羽根の変形、異物混入、取り付け部の緩み
- 特徴:金属的な断続音、一定間隔で繰り返す
👉 異物が原因なら清掃で改善することも多いです。
体験談:築15年マンション・Cさん
「台風のあとから『カラカラ』と音が。確認したら小さなプラスチック片がファンに挟まっていました。取り除いたらすぐ直りました。」
1-4. カクカク・パタパタ音
- 原因:ファンの羽根が曲がっている、バランスの崩れ
- 特徴:回転のたびに不規則に音がする
👉 修理や交換が必要なケースも。
体験談:築30年マンション・Dさん
「入居直後から『パタパタ』音がありました。調べたら羽根が変形。管理会社に相談したら、入居前からの不具合ということで無料交換してもらえました。」
1-5. 築年数別の傾向
- 築10〜15年:油切れや汚れ → 清掃・潤滑で改善
- 築20〜25年:モーター摩耗や部品劣化 → 部品交換が必要に
- 築30年以上:換気扇全体の寿命 → 本体交換を検討
👉 築年数が経っているほど「応急処置」より「交換」が現実的になります。
2. 賃貸でもできる安全な対処法
2-1. 清掃で改善を狙う
換気扇の異音は、汚れが原因であることが多いため、まずは清掃から始めるのが基本です。
準備するもの
- 中性洗剤・重曹
- 歯ブラシや細いブラシ
- マイクロファイバークロス
- 綿棒
- ゴム手袋
- 脚立(必要に応じて)
清掃手順
- 電源を必ず切る(ブレーカーを落とすのが安心)
- カバーを外す
- 羽根やファンの汚れを丁寧に拭き取る
- 軸受け部分は綿棒で汚れを除去
- 完全に乾燥させてから電源を入れる
⚠️ 注意:水のかけすぎは厳禁。モーター部分に水が入ると故障の原因に。

2-2. 潤滑油でキーキー音を抑える
軸の摩擦による高音は潤滑油で解消する場合があります。
おすすめの潤滑油
- ミシン油(無臭タイプ)
- 家電用潤滑スプレー
- CRC5-56(におい注意)
方法
- 電源を切る
- モーター軸に1〜2滴たらす
- 羽根を手で軽く回して馴染ませる
- 余分な油を拭き取る

2-3. ファンや部品の調整
- 羽根の位置ずれ → 手で軽く修正
- ネジの緩み → 締め直す
👉 無理に力を加えるのはNG。あくまで軽い調整に留めましょう。
3. 応急処置と一時的な工夫
- 運転時間の調整:深夜は使わない、日中だけ稼働
- 防振テープ:壁や枠の振動を軽減
- 定期運転:長期間使わないと固着し、異音の原因に
👉 「とりあえずの対策」として有効ですが、根本解決には清掃や修理が必要です。
4. 管理会社・大家に相談すべきタイミング
次のような場合は、自己対処をやめて管理会社に連絡しましょう。
- 清掃や潤滑でも改善しない
- 音が日に日に大きくなる
- 換気効率が明らかに落ちた
- 焦げ臭い、異臭がする
- 動いたり止まったりする
👉 相談時は「いつから・どんな音か・どんな対処を試したか」を伝えるとスムーズです。録音や写真も有効。

5. 修理か交換か?判断基準
修理で済むケース
- 軸受けやファンの部品交換
- モーターの軽微な修理
交換が必要なケース
- モーターが完全に故障
- 本体が腐食・老朽化
- 修理費用が新品交換に近い
👉 築30年以上の物件では「交換一択」になることが多いです。
6. 新しい換気扇に交換するメリット
- 静音性:異音がなくなり快適に
- 省エネ性能:電気代が安くなる
- 換気効率向上:湿気・ニオイを素早く排出
交換費用は機種や工事内容によりますが、2〜4万円程度が目安。
経年劣化なら大家負担になる可能性が高いので、まずは相談を。

7. 予防策と日常メンテナンス
定期清掃スケジュール
- 月1回:カバー外側を拭き掃除
- 3か月ごと:ファンや羽根の清掃
- 半年に1回:分解清掃+潤滑油補給
日常の工夫
- 運転は必要なときだけ
- 長期不在の後は動作確認
- 油料理のあとは早めに清掃
👉 「こまめなケア」が換気扇の寿命を大きく延ばします。
まとめ|異音は「早めの対処」がカギ
古いマンションの換気扇からの異音は、 清掃や潤滑油補給で解消できる場合が多い です。
しかし、改善しない場合や異臭・動作不良がある場合は、すぐに 管理会社や大家に相談 しましょう。
ポイントまとめ
✅ キーキー音は油切れ、ゴーゴー音はモーター負荷、カラカラ音は異物や羽根ずれ
✅ 賃貸では分解修理よりも「清掃・潤滑・相談」が基本
✅ 築20年以上は部品交換、30年以上は交換が現実的
✅ 日常的な清掃と定期メンテナンスで寿命を延ばせる
換気扇は毎日の生活を支える大切な設備。異音に気づいたら「放置せず、まずできる範囲から対処」を心がけてみてください。

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